手作りのクッキーを配って迷惑させる
少し前の話になります。
バレンタインが近くなってきて、お菓子を作りたくなりました。
料理をするのは好きですが、お菓子を作る経験は、ほとんどありません。
こんな話を職場の人にすると「食べてみたい」「作って持ってきて」と言われました。
「滅多に作らないので、持ってこれませんよ」と拒否しますが「それでもいいよ」と引き下がりません。
あまりに引き下がらないので、クッキーを作って持っていくことにしました。
「食べてみたい」と言ってきた人に食べて貰って、ほかにも「クッキーを作ったんですけど、食べます?」と聞いて、職場の人に配りました。
みんな「美味しかったよ」と言ってくれて、最初のうちは「良かった、良かった」と、その言葉を嬉しく思いました。
しかし、次第に「社交辞令だよな」「本当に美味しく食べてくれたのかな?」と不安になりました。
その不安は膨れていって、最終的には「本当は食べてないでしょ?」「裏で捨てたでよね?」と思って「配らなきゃ良かった」と思ってしまいました。
手作りに抵抗のある人は少なくない
ぐぐると、手作りに抵抗のある人は少なくないことが分かります。
「要らないけど、要らないって言えない」などと迷惑させてしまったかもしれません。
なので「食べてみたい」と言ってくれた人のほかには、配るべきではありませんでした。
今更だし、顔を合わせて言われても困ると思うので「ごめんなさい」と、手作りのクッキーを配ってしまったことを、ここで謝らせて下さい。
配って良かったこともある
みんな「美味しかったよ」と言ってくれたので、考えすぎかもしれません。
しかし、迷惑した人は居るはずです。
配って良かったのは「また作ってよ」と言ってくれる人が居ることです。
「この人は喜んでくれたんだな」と思えて、自分を受けて入れて貰えている気分になります。
自分の作ったもので喜んでもらえるのは、著しく自己肯定感の低い人にとっては快感です。
この感覚は久しく味わっていないので、良い経験になりました。
お菓子を作るのは楽しいので、これからも少しずつ作ります。
しかし、配るのは止めておくべきです。
「食べてみたい」と言ってくれる人だけにするべきです。
このことを、味を占めて、また配ってしまう前に分かって良かったです。
もしかしたら、本当は迷惑した人など居ないかもしれませんが、今回は卑屈な性格をしていて良かったと思っています。